2005年03月17日

KGB(情報機関)

世界最大の情報機関が旧ソ連のKGB(КГБ = Комитет Государственной Безопасноти = 国家保安委員会)だったことは疑問の余地がない。その組織は九つの管理本部(総局と訳される場合もある)からなり、その任務はソ連邦の安全保障に関するあらゆる問題にかかわっていた。海外でのスパイ活動は第一管理本部が統轄した。国内の外国人監視およびスパイ活動防止は第二管理本部が、反体制分子への浸透は第五管理本部が受け持っていた。またKGBは、20万の兵力を擁する国境警備隊を傘下に収めていた。
ソ連国内でKGBのために働いていた人員の数は、一説には175万人とも言われる。コの他に外交官、ジャーナリスト、アエロフロートの乗務員などとして海外に派遣されているKGB要員は30万を数え、さらに東欧諸国の秘密警察要員10万人も、実質的にはKGBのために働いていた。この膨大な人員を背景として、KGBはソ連邦の内部で共産党、国防軍とならぶ強大な政治権力をふるっていたのだ。
連邦制度の崩壊にともない、連邦KGBも“解体”されたが、その権限と財産は下部組織であったロシア共和国KGBにほぼそっくり移管されたにすぎない(ロシア共和国KGB議長は連邦KGB議長の兼職であった)。共産党の活動を禁止したエリツィン大統領も、KGBと国防軍の二つの聖域には手を出せなかったのが実情のようである。

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