2011年01月06日

ぼくを忘れたスパイ

Amazon Amazon久しぶりに読んだスパイ小説、面白いけどこんなのありか?
読む上でスパイや銃器の知識も必要。★★★

「ぼくを忘れたスパイ」 キース・トムスン 2010 新潮文庫

 父がスパイだった? それも辣腕? 競馬狂いで借金まみれのチャーリーは、金目当てで認知症の父を引き取ってから次々と奇怪な出来事に見舞われる。尾行、誘拐未遂、自宅爆破に謎の殺し屋の出現。あげく殺人犯に仕立てられ逃げ回る羽目に……。父は普通の営業マンではなかった? 疑念は募る。普段のアルツハイマーの気配も見せず、鮮やかに危機を切り抜ける父の姿を見るたびに──。
 何が真実で、何が真実でないのか? チャーリーは混乱するばかりだった。父はCIAに所属していて、なんらかの秘密作戦に従事していた。二人を追うのはCIAなのか? 何を聞いても返事が意味不明な父の病。時折訪れる明晰な瞬間にはスーパーヒーローに化けるが、普段は過去も現在もわからない彼が重大な国家機密を握っていたとしたら。独創的な主人公像が絶賛を浴びた痛快スリラー。

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