2011年02月20日

Amazonひねりすぎず単純明快! これは思わぬ拾いものでした。
読んでいて楽しい短編ミステリ集 ★★★

「ストラング先生の謎解き講義」 ウィリアム・ブリテン 1983 論創社

オルダーショット高校の老教師にして、素人探偵のストラング先生。生徒にかかった疑いを晴らしたり、卒業生の刑事に協力したり、退屈しのぎに謎を解いたり、はたまた自分が逮捕されてしまったり…。『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』のブリテンが贈る、エラリー・クイーン顔負けの緻密な推理が展開される“名探偵ストラング先生”シリーズ傑作集、全14編。

2011年02月11日

Amazonラスト・フランシスの作品という思い入れもあるが――。
前半と後半の筋立てが気にかかったが、最後だし★★★でアップ。

「矜持」 ディック・フランシス 2010 早川書房

英国陸軍大尉トマス・フォーサイスは、アフガニスタンで爆弾によって右足を吹き飛ばされ、6カ月の帰宅休暇を命じられた。
偉大な調教師で厩舎を経営する母ジョセフィンとは折り合いが悪かったが、ほかに行くあてもなく、彼は母と義父が暮らす家に帰る。
だが、厩務長から意外な話を聞かされた。
このところ厩舎の馬が勝てるはずのレースで不審な負け方をすることが続いているというのだ。
さらに母と義父の口論を聞き、家計が逼迫していることを知る。
彼は母の仕事部屋を調べて、母の個人口座から毎週2000ポンドもの金が引き出されていることを突き止め、脅迫状を発見する。
母と義父に事情を聞くと、会計士に勧められた節税方法を採用したが、脱税をしていると何者かに脅され、金の支払いと馬をレースで負けさせることを強要されるようになったという。
会計士の勧めでヘッジファンドに投資し、大金を失ってもいた。
トマスは脅迫者を暴き、母の金を取り戻そうとするが、手がかりとなる会計士は死んでいた。
卑劣な手段でトマスの命を奪おうとする敵と、彼は自己の名誉を賭けた闘いを繰り広げる。
競馬シリーズで世界中の読者に興奮と感動を与え続け、惜しくも死去したディック・フランシスの最後の作品。

2011年02月07日

Amazonメキシコ人の名前がなじんだころに物語りは終わった。
面白かったが特にお薦めというほどじゃない。★★★

「騙す骨」 アーロン・エルキンズ 2009 ハヤカワ文庫

妻ジュリーの親族に招かれメキシコの田舎を訪れたギデオン夫婦。だが平和なはずのその村で、不審な死体が二体も見つかっていた。銃創があるのに弾の出口も弾自体も見当たらないミイラ化死体と、小さな村なのに身元が全く不明の少女の白骨死体だ。村の警察署長の依頼で鑑定を試みたギデオンは次々と思わぬ事実を明らかにするが、それを喜ばぬ何者かが彼の命を狙い…… 一片の骨から迷宮入り寸前の謎を解くスケルトン探偵。

2011年02月05日

Amazonダルジールが見事に復活した。24時間のお話ながらしっかり長い。
おまけに最後の最後にすばらしいおまけまでついている。★★★★★

「午前零時のフーガ」 レジナルド・ヒル 2009 ポケミス

ダルジール警視は周囲の反対を押し切って職場に復帰した。しかし体調はすぐれず、仕事の勘も戻らない。そんなある日、古い知り合いの警視長パーディーから、七年前に失踪した部下の刑事について調べて欲しいと依頼される。パーディーは部下の死亡推定を前提に、その妻と再婚するつもりだった。だが最近妻のもとに夫と思われる人物の写真が掲載された雑誌が送られてきたのだった。ダルジールは非公式に捜査をはじめるが、背後には危険な影がうごめく――二十四時間でスピーディーに展開する、本格の巨匠の新傑作。

2011年02月02日

元大阪地検特捜部がらみの厚生労働省・女性元局長の村木厚子さんが拘置所内で「サマータイム・ブルース」を読んでいた。そして保釈を得た後、記者会見で作中のヴィクの言葉を引用したそうだ。 【あなたが何をしたって、あるいはあなたに何の罪もなくたって、生きていれば、多くのことが降りかかってくるわ。だけど、それらの出来事をどういうかたちで人生の一部に加えるかはあなたが決めること】(「サマータイム・ブルース」旧版:201ページ 新版:235ページ) ヴィクが苦境の少女ジルに言った言葉だ。ジルは愛する優しい兄が殺された。その後に権力者の父が殺され、母親と姉は信頼できない。ヴィクは1ドルの依頼料を受け取ってジルに雇われる。家から出たジルをロティの診療所へひとまず連れていく途中の会話。

2011年01月21日

Amazon警察小説とクライムノベルが混在した本、面白い。
ただ終わりがなんかすっきりしなかった。★★★でアップなし

「夜は終わらない」 ジョージ・ペレケーノス 2006 ポケミス

ワシントンDC。麻薬、貧困、人種間の争いが蔓延する街――。刑事ラモーンは、この街の犯罪との終わりなき闘いに日々神経をすり減らしている。そんな彼でさえ、やるせなくなる事件が起きた。犠牲者は少年で、しかも息子の友人。事件の解決を心に誓い捜査を始めたラモーンは、二十年前の未解決連続殺人事件との類似点に気づく。さらに他の殺人事件との意外な関連性も浮かびあがった。事件をめぐり、人間の欲望と執念が交錯するなか、明らかになる真相は……。家族の絆を軸に描く、哀切に満ちた傑作長篇。バリー賞受賞作。

2011年01月14日

Amazon心理検死官なるものが、はっきりしなかったが中身はまあまあ。
MWA賞作家の作品ということもあり評価は★★★、アップはしない。

「心理検死官ジョー・ベケット」 メグ・ガーディナー 2008 集英社文庫

精神科医のジョー・ベケットは死者を心理分析して死因を解明する、いわば“心理検死官”だ。その彼女が急行した交通事故現場にはやり手の連邦検事補キャリーが死んでいた。遺体にはルージュで書かれた「dirty」の文字。調べるにつれ、ジョーは相次ぐセレブの死と、秘密めいたクラブの存在に行き着く。やがてクラブからジョーのもとに入会を誘う手紙が届き……。エドガー賞受賞作家の新シリーズ第1弾。

2011年01月12日

Amazonブログを材料にしたサスペンスが良く出来ている。
作者はますます冴えてきてる。★★★★

「ロードサイド・クロス」 ジェフリー・ディーヴァー 2009 文藝春秋

尋問の天才キャサリン・ダンス、ネットにひそむ悪意に挑む。陰湿なネットいじめに加担した少女たちが次々に命を狙われた。いじめの被害者だった少年は姿を消した。“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスが少年の行方を追う一方、犯行はエスカレート、ついに死者が出る。犯人は姿を消した少年なのか?だが関係者たちは何か秘密を隠している――。幾重にもめぐらされた欺瞞と嘘を見破りながら、ダンスは少しずつ真相に迫ってゆく。完全犯罪の驚愕すべき全貌へと。

2011年01月11日

Amazon後書きですごい評価が高かったが、わたし的にはどうもでした。
決して駄作ではなくしかももうあとのないスペンサーもの。★★★

「盗まれた貴婦人」 ロバート・B.パーカー 2010 早川書房

17世紀の名画『貴婦人と小鳥』が美術館から盗まれた。犯人からは絵に身代金を払えとの要求があり、美術史教授プリンスが受け渡しに向かうことになる。その護衛を務めることになったスペンサーだったが、受け渡しは悲惨な失敗に終わった! 絵は戻らず、プリンスは命を落としてしまう。
スペンサーは依頼料を美術館に返し、自らの手で事件に片をつけるべく動き出した。調査の糸口を探し、美術館の顧問弁護士や絵の保険を受けていた保険会社の請求担当者、さらにプリンスの教え子らに聞き込みを試みるものの、事件の全容は杳として知れない。そんな中、スペンサーのオフィスを武装した男たちが襲撃する。間一髪、スペンサーが撃退した彼らの腕には、奇妙なことにアウシュヴィッツの強制収容所でユダヤ人捕虜に彫られたものと同じ刺青が……。点と点とをつなぐ線、それは『貴婦人と小鳥』のたどってきた激動の来歴そのものに隠されていた――。シリーズ初期を思わせるアクションとサスペンスに満ちた注目作。

2011年01月06日

Amazon Amazon久しぶりに読んだスパイ小説、面白いけどこんなのありか?
読む上でスパイや銃器の知識も必要。★★★

「ぼくを忘れたスパイ」 キース・トムスン 2010 新潮文庫

 父がスパイだった? それも辣腕? 競馬狂いで借金まみれのチャーリーは、金目当てで認知症の父を引き取ってから次々と奇怪な出来事に見舞われる。尾行、誘拐未遂、自宅爆破に謎の殺し屋の出現。あげく殺人犯に仕立てられ逃げ回る羽目に……。父は普通の営業マンではなかった? 疑念は募る。普段のアルツハイマーの気配も見せず、鮮やかに危機を切り抜ける父の姿を見るたびに──。
 何が真実で、何が真実でないのか? チャーリーは混乱するばかりだった。父はCIAに所属していて、なんらかの秘密作戦に従事していた。二人を追うのはCIAなのか? 何を聞いても返事が意味不明な父の病。時折訪れる明晰な瞬間にはスーパーヒーローに化けるが、普段は過去も現在もわからない彼が重大な国家機密を握っていたとしたら。独創的な主人公像が絶賛を浴びた痛快スリラー。

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